第22回トピックは、コーヒーと紅茶のお話です。
このタイトルについては実に多くの文献がありますが、ここではフランス料理に於けるコーヒーと紅茶の歴史、位置付け等から入り、現在スリジェで使用しているコーヒー、紅茶をご紹介します。
コーヒー Café(カフェ)
アカネ科の低木、小高木コーヒーの木の実を焙煎し、挽いて湯で煎じる飲み物。
コーヒーはアフリカ大陸エチオピアの高原地帯を起源とし、飲酒を禁じたイスラム世界で急速に広まり、アラブ世界全体に伝えられましたが、いつ頃かは正確には判っていません。飲み物としてのコーヒーは、1450年頃イエメンで広まりました。おそらくエチオピアでは、コーヒーは飲み物として使わず、豆を乾燥させガムのように口の中で噛んでいたと考えられ、現在でもアフリカの一部の地域に、その習慣が残っています。
コーヒーというものの存在をヨーロッパの人が初めて耳にしたのは16世紀末で、近東に旅したヨーロッパ人達が、旅行中に目撃した珍しい飲み物を伝えましたが、実際にヨーロッパの市場にコーヒー豆が姿を見せるのは、17世紀初期になってからです。18世紀には、コーヒーは中流階級、ブルジョアの飲み物になり、更に1世紀を経た19世紀になって初めて一般庶民の飲み物になりました。しかし、貧困にあえぐ下層階級の人々は小麦、大麦、チコリ等から作った代用品で安上がりのコーヒーを作って飲んでいました。20世紀になってからコーヒー豆の相場の下落、生活水準の向上で、階級の違いを区別するシンボルではなくなり、コーヒー豆だけで作ったコーヒーが、一般庶民にも日常飲料になりました。
コーヒー豆の種類(Graines de Caféier)
熟して赤くなった実を摘んでグレーがかった黄色の種を取り出し、等級別に選別してから焙煎して香りを生じさせます。酸味を好む場合は浅炒り、エスプレッソのように濃くする場合は深煎り、通常は中炒りにし、香りが消滅しないように密封し、乾燥した冷たい場所に保存し、挽いて使用します。
*コーヒーは種類、焙煎温度、挽いた時の粒の大きさにより味と香りが異なります。
*コーヒーの木は熱帯植物で赤道の南北緯25度以下の地帯で栽培されています。

主な種類は、
*キリマンジェロ ケニア、タンザニアのキリマンジェロ山麓産
*コロンビア コロンビア産
*グアテマラ グアテマラ産
*ブルーマウンテン ジャマイカ産
*コスタリカ コスタリカ産
*ブラジル(サントス) ブラジル産
*モカ・マタリ イエメン産
*モカ・ハラー エチオピア産
その他、インドネシア、ハワイ等でも栽培されています。
コーヒーの入れ方
カフェの発展と供に、ヨーロッパ中に急速に広まったコーヒーには次のような入れ方があります。
*トルコ・コーヒー Café à la Turque
トルコやギリシャで行っている方法
*フランス式コーヒーCafé à la Française
目の細かい茶漉しのような網2枚の間にコーヒーを入れ、熱湯を注いで煎じる。
ネルなどの布やペーパー・フィルターを用いるドリップ式、パーコレーター、サイフォンを用いる方法。
*エスプレッソ・コーヒーCafé Espresso
イタリア、フランス、オーストリア等ヨーロッパに多い方法。
高圧になった蒸気で煎じる方法ですが、現在では便利な電器式のエスプレッソ・マシンが主流で便利です。
コーヒーを、美味しく味わう為に、焙煎技術と抽出器具の発達がお互いに影響し合ってきましたがもう一つ忘れてならないのが、飲む為の道具、コーヒーカップ、コーヒーポットも又、味に左右されます。
スリジェでは現在、ブレンド・コーヒー、エスプレッソ・コーヒー供、友人である白河、玄豆屋の金澤さんが選別、焙煎した物を使用しております。詳しくは、玄豆屋ホーム・ページをご覧になって下さい。
玄豆屋ホーム・ページURL.www.genzya.com/
茶 Thé
ツバキ科の常緑低木、及び高木の葉。原産地は中国。主な産地は北緯43度から南緯3度の各地。加工し、煎じて緑茶、紅茶等にして飲む。お茶を飲む習慣は、中国で始まり、アジア諸国、中近東、ロシアへと普及して行きました。日本には、平安時代初期に唐から戻った僧達が持ち帰ったのが始まりのようです。
ヨーロッパには、1610年にオランダ船が、緑茶の葉を持ち帰ったのが始まりで、1640年にはロンドンで初めて茶を提供する店が出現しました。当初は緑茶を飲んでいましたが次第に烏龍茶を飲むようになり、更に醗酵の強い茶を求めるようになり、18世紀後半になってから紅茶を作るようになったようです。
フランスへもほぼ同時代に伝わったにもかかわらず、同時代に伝わったコーヒー、ココアと違って普及しませんでした。19世紀末のイギリス風の流行にもかかわらず、フランスでは茶の飲用は普及せず、現在でも、サロン・ド・テと称する紅茶、コーヒー、ココアとケーキを提供する店の数はカフェと比べると数段少ないのが現状です。
しかし香草を乾燥させ、煎じたハーブ・ティーはinfusion(アンフィジオン)、tisane(ティザンヌ)と呼ばれ、かなり普及しておりますが、単に香りを楽しむために飲むだけでなく、むしろ香草の医学的な効能により、飲み分けることが多いようです。
茶の製法に依る分類
*不醗酵茶
茶葉の酸化酵素を蒸気や熱風で破壊し、手や機械で揉捻し、乾燥させた中国や日本で生産する緑茶。
*半醗酵茶
茶葉を日光などに当てて醗酵させ、その途中に釜で炒り、醗酵を止めて醗酵させた中国や台湾で生産する烏龍茶、パオチョン茶等。
*醗酵茶
インド、スリランカ、中国、インドネシア、東アフリカ、ラテンアメリカ、ロシアで生産する紅茶。
*茶葉から水分をとり萎れさせ揉捻をして20℃から26℃で、湿度が90%以上の場所で醗酵させるオーソドック製法。
*茶葉を押し潰して、引き裂き、粉状に丸めて醗酵させたCTC製法。
*醗酵前に茶葉を細かく切るローターバン製法は、主にティーバッグに用います。
含有する酸化酵素で葉緑素などを酸化分解するので紅色になります。中国雲南省のプーアル茶は、緑茶を後醗酵させたものです。
紅茶の種類
*アールグレイ Earl Grey
中国産の茶葉にベルガモットの香りを着けたフレイヴァー・ティーの一種。
*アッサム Assam
北インド、アッサム地方のアッサム種で、濃厚な味でコクがある。
*ウヴァ Uva
スリランカの高地で生産、渋みが少ない。
*キーマン Keemun
中国南部で生産。生産量が少ないため高級品。渋みが少なく、香りが良い。
*ケニア Kenya
ケニアで生産、茶樹が若い為、味、香りが軽い。
*ジャワ Java
インドネシア、ジャワ島で生産。セイロン・ティーに似ている味わい。
*ダージリン Darjeeling
インドのヒマラヤ山系の高地ダージリンで生産。渋みがあり、香りが強い。
ファースト・フラッシュ、セカンド・フラッシュ、オータムナルがあり、アールグレイとブレンドする事もある。
*ニルギリ Nilgiri
インド南部のニルギリ地方で生産。スリランカと気候が似ている為、味や特徴も似ている。
*ラプサン・スーチョン Lapsang Souchong
中国福建省で生産する弱醗酵茶。松などの木の煙で乾燥させる為、燻した独特の風味があります。
その他、スリランカのヌワラエリア、ディンプラ、インドのドアーズ等があり、スリランカの紅茶は現在でも旧称の“セイロン”として世界中で流通しています。
スリジェでは、独自のブレンド・ティーを作り、ティールーム、レストランで提供しております。
コーヒー、紅茶の他フレーヴァー・ティー、ハーブ・ティーも数多く取り揃えております。